私がSTEPで防災に取り組み始めたきっかけは(市川)

 

防災担当:市川(コーディネーター)

2007年(平成19年)3月25日(日)9時41分に発生した「能登地震」

その日、自宅直ぐ近くの利用者宅に9:00~21:00の介助入ったばかりの時でした。東京は全く揺れもせず、ニュースでその事実を知ったのですがその時私は「もしこれが東京だったら・・ 日曜で事務所はクローズ。私は利用者さんを見捨てて帰るわけにもいかないし、他の利用者さんの安否も気になるし誰がどのように動くのか何も決めていないし・・・」と、いつか訪れてしまうかもしれない「Xデー」を不安に感じ、災害時の対応を決めておかなければ・・・と思った事がきっかけでした。

とは言うものの、わからないことだらけで、考えれば不安ばかりで何からどう手を付けて良いものか??   そんな矢先、平成20年9月に幹福祉会主催の介護事業所向け防災の研修会に参加しました。不安しかなかった気持ちが、とりあえずやれる事から少しずつでも始めてみようと、まずは「担当者」を決めて会議を開き、江戸川区の社会福祉協議会からの助成をいただいて災害用品をそろえ、 安否確認システムをシフト作制のシステムに組み込んでもらい・・・利用者さん、ヘルパーさん双方に防災に関するアンケートを行って皆さんの防災に対する準備や不安に思う事などの情報収集をしヘルパー研修会で本所消防署の災害体験に行くという機会も設けました。

後で気付いた事ですが、なんとその日は平成22年3月11日。まさに東日本大震災のちょうど1年前。何て偶然なんでしょう!

 

2011年(平成23年)3月11日 14時45分 東日本大震災発生

エレベーターが停止し帰宅困難者が出た事、当日は深夜遅くまで交通網がマヒし、電話の連絡もままならない状況だった事などがあったけれど、幸いにも停電にはならず大きな被害もなく介助の調整もなんとかできたので乗り切る事ができました。

 

それから数日後、福島のCILの方たちが戸山サンライズに広域集団避難してくるという事でTIL(東京の自立生活センター)のメンバーが集結し、交代で避難者の支援に入りました。 JILの本部では早々に被災地支援本部を立ち上げ、衛生材料や経管栄養食などの支援物資をかき集めたり、ヘルパー派遣の為のガソリンを届けたり、各地で募金活動を行なったり。 翌月初には、同じ請求システムを使っている東北の事業所の請求業務を手伝ったりもしました。各自の出来る事を、出来る形で支援していきました。

 

その頃は支援と共に自分たちの事も改めて考えなおさなければと災害時マニュアルの見直しをしたり、備蓄品を増やしたり、定期的にヘルパー研修などで取り上げたり・・・・という活動を継続してきたものの、時間の経過と共に緊迫感が薄れ日々の雑務に追われなんとなく中途半端なままに経過していきました。

 

今年になって突然の電話。瑞江在住の、被災地支援やその経験から防災セミナーや等をお仕事としているタカさんという方からで、「自分の住んでいる地元を何とかしなければ・・・と思っているのだけれど」と。その一言に、即答で「是非一緒に」という事で、東部地区防災クラブ(略してTBC)の活動が始まりました。

 

誰か優秀な専門家が一人で頑張れば何とかなるものではなく、地域の様々な人が繋がって地域全体にゆるく広がっていく事が大切と考え、まずはこの活動を広めていくために第1回防災ふらっとカフェを6月23日に東部区民館で開催しました。この活動には準備段階から江戸川区のボランティアセンターの方や地域住民の方も加わり、「こんな人と繋がりたい・・・」と思う方には個別に訪問させていただいたりして準備を進めてきました。